幻視の島

屋久島については多くを知らない。しかし仄聞するところによると、それは海に浮かんだほんの百キロ四方の花崗岩の塊でありながら、千メートル級の山々を擁し、樹齢千年を優に越える屋久杉を養う、何とも人智を越えた島であるという。

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騎士になりたい

結局のところ、正常な人間であれば誰しも、正常でなくなることを望むのである。何しろ「正常」という概念がすでに異常なのであって、ドン・キホーテがくりかえし歌ったように「叶わぬ夢を夢みて、届かぬ星に手を伸ばす」ためには、どうしても騎士にならなければならないのだ。

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色の道は、人の道

ところで江戸の男たちの楽しみの一つは、やはり恋であった。色の道である。そんな彼らの道しるべとなったのが、いわゆる「色道もの」の書物であった。その一つ、『色道大鏡』は、その名のとおり色道の百科事典である。

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